一般的にミネラルウォーターとは、「無機塩類を比較的多量に含んだ水の飲料」とされている。しかし、ミネラルウォーター類を製造する場合、食品衛生法「食品の規格基準」に従う必要があり、ミネラルウォーターと商品に表示する場合、日本農林規格「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」を参考とする必要がある。
食品衛生法の分類では、清涼飲料水の大分類の中にミネラルウォーター類が属するため、ミネラルウォーター類を作るときは、清涼飲料水の成分規格、製造基準及び保存基準等に適合しなければならない。特にミネラルウォーター類の場合重要なのは、原水が一般生菌100CFU/ml以下、大腸菌群などの有害微生物に汚染されておらず、カドミウム、水銀、ヒ素などの有害重金属を含まないなど、その他多くの規格基準に適合しないと、ミネラルウォーター類とはいえないのである。
日本農林規格「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、ミネラルウォーター類を主に原水の種類と処理方法により4区分(ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーター)に分けている。ここでいうミネラルウォーターとは、「特定の水源から採水された地下水を原水とし品質を安定させる目的等のためにミネラル調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの」と定義されている。つまり、食品衛生法及び日本農林規格の重要なポイントが原水の成分及び原水の種類である。
海洋深層水から飲料水を作った場合、日本農林規格ではナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーターの原水は地下水と限定されているため、ボトルドウォーターとなる。また、食品衛生法に適合するには原水が有害微生物や有害物質などに汚染されていない海水でなければならない。
なお、現在、ミネラルウォーターの定義について、国際食品規格(CODEX)に基づき“ナチュラルミネラルウォーター”と“ボトルド・パッケージドウォーター”の2つに分類される方向で見直されているため、海洋深層水から作られる飲料水も今後これに従って基準化されるであろう。
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