学会発足20周年の記念号を発行 会長 高橋 正征
海洋深層水利用学会(DOWAS) は、1997年に海洋深層水利用研究会として始まり、2017年に20周年を迎えました。研究会創設のきっかけは、海洋深層水の利活用に関係する産官学の関係者の情報交換を進めることで、学が中心になる多くの学会とは違って異色です。その理由は、まず海洋深層水の取水施設の建設費が高額で、しかも地方の地域資源を利用するため、その多くで地方自治体に管理に関係していることがあります。さらに、海洋深層水の資源性は、冷熱エネルギー、冨栄養性、ミネラル類、金属類、水など、既に利用している他の多くの資源に比べると桁違いに多様で、そのため利活用でも地域の様々な人たちが関係します。また、取水施設の建設をはじめ、海洋深層水の利活用では大学や研究所などの専門家の関与も不可欠です。20年をふりかえりますと、産業、行政、専門研究のそれぞれから関心を持った人たちが集まって進めてきた活動の足跡は極めてユニークです。
そこで、学会ではこれを機会に20年の学会の活動を整理して纏め、さらに、海洋深層水の今後の利活用の方向を多様な分野をカバーしている学会員が分担して執筆しました。
前者は、資料として、海洋深層水関連年表、学会設立の経緯、歴代役員、委員会と歴代委員長、歴代事務局と担当者、名誉会員、学会賞受賞者・受賞題目・選考理由、全国大会講演題目、海洋深層水の利活用促進に向けて、ニュースレター目次、学会誌目次、学会会則で、79頁。
後者は、取水(3)、冷熱利用(2)、海域肥沃化(3)、水産(5)、農業(2)、ミネラル・飲料水(4)、食品・医薬・化粧品(3)、微生物(2)、地域振興構想(2)の9分野で27件(カッコ内の数字は提案数)の提案を63頁に収録しています。
20周年記念号は、学会誌“海洋深層水研究”の第18巻第3号として2017年12月30日に発行しました。体裁はA4判、216頁です。
20周年記念号は広く希望者に有料(1冊2,000円、送料:1冊300円,2冊350円)で提供いたします。希望者は学会事務局にご連絡願います。
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